F-2の空戦機動性に関しては、実際にF-16との異機種間空中戦訓練(DACT)も行って来ているし、それで遜色ない機動性を発揮しているそうだ。
幸いなことには第8飛行隊の指揮官クラスはアメリカ空軍に派遣された経験があり、
向こうでF-16にも乗って来ている。新任の飛行隊長など、F-16の飛行時間が数百時間、F-2はまだ数十時間と言ったレベルだ。
その彼らがF-2の飛行性能はF-16C/Dと比べても見劣りしないと太鼓判を押している。
またアメリカ側のF-16パイロットからF-2の印象を聞いて来たTさんからも、彼らがF-2を手強いと感じている様子を聞いた。
双方に(政治や予算を含めて)いろいろ事情はあるし、第8飛行隊はF-2部隊としてはまだ若く、
他流試合をするほどには育っていないと言ったこともあるかもしれない。
ただ個々の隊員はやる気十分で、自分達の乗っているF-2にまったく不安も引け目も感じていない様子だ。
DACTでもなんでもどんと来いと言った自信すら伺える。
国産だから悪く言わないなんてこともなく、最初からF-2に乗っているパイロットからは
「レーダーには最初は苦労してねえ」と言った苦労話も聞かれるのだが、現在の機体の能力に大きな不満はないようだ。
これが以前飛行隊が使っていたF-1の話になると、「ともかくパワーがなかったからねえ」と言った愚痴を、
古顔のパイロットから聞かされたりするのだが。
指揮官クラスのパイロットの要望としては、性能的な面よりもむしろ装備の充実を望む声が強かった。
これに関しては確かに自慢出来たものではない。しかしそれはF-2の機体そのものではなくもっと上の方の問題だ。
航空評論家 浜田一穂氏より
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