ダグラスSBDドーントレス
乗員は筏とかクランクとか呼んでいて、馬力不足で情けないほどに遅かったも
のの、ドーントレスはすべての時代を通してもっとも成功した艦載急降下爆撃
機となった。
アメリカ海軍のドーントレスは、太平洋における五回の空母対空母の海戦に参
加した唯一のアメリカ軍機である。攻撃を受けやすく、航続距離は不足し、飛
ばすのに疲れるドーントレスはそれにもかかわらずほとんど伝説的な評価を得
ている。それは機体よりも乗員の腕前によるものである。
1942年5月7日、空母レキシントンとヨークタウンから飛び立ったドーントレス
急降下爆撃機は、日本の空母翔鳳を撃沈し、アメリカ海軍もレキシントンを失
った。この珊瑚海海戦は、日本にとっては戦術的勝利だったが、アメリカ海軍
には戦略的勝利であった。これは日本の侵略計画の最初の齟齬であり、ドーン
トレスの多くの勝利の最初でもあった。
その数週間後の1942年6月4日、馬力不足のドーントレスがまたも大勝利を記録
した。ミッドウェイ海戦は太平洋戦争の流れを変えて、日本の太平洋支配の野
望に終わりをもたらしたのである。
丸一日続いた激しい戦いで、アメリカ海軍は空母ヨークタウンを失い、109機
の艦載機が撃墜されたり燃料切れで不時着することになった。対してドーント
レスは、日本の空母4隻と重巡洋艦1隻撃沈の戦果を挙げた。アメリカ海軍の圧
倒的大勝利であった。
急降下爆撃作戦は高度15000フィート(4570m)から20000フィート(6095m)で行わ
れる。パイロットは目標に近付いたら、機体を真上に持ってきて、機首を上げて
上下の急降下フラップを下げてから、一気に突っ込む。加速はゆっくりでパイ
ロットはMKⅧ反射標準器を使って、目標に向けて爆弾を投下する。重い爆弾を
切り離したドーントレスは、簡単に引き起こすことができる。
通常の飛行では操縦性は良好で、コクピットからの視界はすばらしい。多くの
欠点にもかかわらず、ドーントレスはタフで、信頼の置ける機械で、戦闘の大
被害にも耐えられた。
COCKPIT (DOUGLAS SBD DAUNTLESS) ドナルド・ナイボール著より抜粋
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